フレーム問題は、今からしようとしていることに関係のあることだけを選び出すことが、実は非常に難しいという問題です。
1969年にジョン・マッカーシーとパトリック・ヘイズが提唱した人工知能における最大の難問です。
ロボットに洞窟にある台車の上のバッテリーを持っていくるように命令します。台車の上にはバッテリー以外に時限爆弾が載っています。
バッテリーを持ってくるように命令されたロボットは、洞窟から台車でバッテリーを持ってきますが、上に乗っていた時限爆弾が爆発してロボットもバッテリーも壊れてしまいます。
そこで、爆弾のような持ち出すとまずいものを考慮できるように、ロボットの行動の結果、副次的に何が起きるかを考えるような命令もバッテリーを取り出すのと合わせて行います。
そうするとロボットはどうなるでしょうか。
バッテリーを取りに行こうとロボットは洞窟に向かいます。しかし、バッテリーが載っている台車を動かすと何が起こるかを考え始めます。洞窟が崩れるかも、台車が壊れるかも、台車を動かしたら爆弾が爆発するかも、・・・、ありとあらゆることを考え続けて、時限爆弾が爆発してしまいます。
それでは、ありとあらゆることを考え続けないように、関係あることだけを考えるように命令も加えます。ロボットはどうなるでしょうか。
ロボットは、関係あるかないかをずっと考え続けてしまって、爆弾が爆発してしまいます。
何を考えるべきかを考えるって難しいですね。人工知能の研究の大きな課題ですね。