令和元年度 秋期 応用情報処理技術者試験 午前 問3
問題
通信回線を使用したデータ転送システムに M/M/1 の待ち行列モデルを適用すると, 平均回線待ち時間, 平均伝送時間, 回線利用率の関係は, 次の式で表すことができる。
$$平均回線待ち時間 = 平均伝送時間 \times \frac{ 回線利用率 }{1 – 回線利用率}$$
回線利用率が 0 から徐々に増加していく場合,平均回線待ち時間が平均伝送時間よりも最初に長くなるのは,回線利用率が幾つを超えたときか。
ア 0.4
イ 0.5
ウ 0.6
エ 0.7
解説
平均回線待ち時間が平均伝送時間よりも長いということは
平均回線待ち時間 > 平均伝送時間
ということですね。
数値の計算で当てはめていけば、解けそうな気がします。
式をあらためて見てみると、左辺は平均回線待ち時間、右辺は平均伝送時間に\(\frac{ 回線利用率 }{1 – 回線利用率}\)を乗じたものになっています。
ということは、\(\frac{ 回線利用率 }{1 – 回線利用率}\)が、1より大きいと、平均回線待ち時間が平均伝送時間よりも大きくなります。1より小さいと小さくなるということが分かりますね。
そうなると回線利用率は、選択肢のものを当てはめていき、\(\frac{ 回線利用率 }{1 – 回線利用率}\)が1以上になるものを選べば正解になります。
それでは、当てはめていきたいと思います。
このようなときは、中央から攻めた方が計算回数が少なく済むときが多いです。
そこで、イ 0.5 から計算していきます。
\(\frac{ 回線利用率 }{1 – 回線利用率} = \frac{0.5}{1 – 0.5} = \frac{0.5}{0.5} = 1\)
1 になりました。
1 だと、同じ時間になるため、この時間を超えると、平均回線待ち時間の方が長くなります。
ということで、正解は
イ 0.5
になります。
参考までにイ以外の値も計算します。
ア \(\frac{ 回線利用率 }{1 – 回線利用率} = \frac{0.4}{1 – 0.4} = \frac{0.4}{0.6} = 0.66・・・\)
ウ \(\frac{ 回線利用率 }{1 – 回線利用率} = \frac{0.6}{1 – 0.6} = \frac{0.6}{0.4} = 1.5・・・\)
エ \(\frac{ 回線利用率 }{1 – 回線利用率} = \frac{0.7}{1 – 0.7} = \frac{0.7}{0.3} = 2.33・・・\)
正解
イ 0.5
あらためて問題と正解
通信回線を使用したデータ転送システムに M/M/1 の待ち行列モデルを適用すると, 平均回線待ち時間, 平均伝送時間, 回線利用率の関係は, 次の式で表すことができる。
$$平均回線待ち時間 = 平均伝送時間 \times \frac{ 回線利用率 }{1 – 回線利用率}$$
回線利用率が 0 から徐々に増加していく場合,平均回線待ち時間が平均伝送時間よりも最初に長くなるのは,回線利用率が幾つを超えたときか。
ア 0.4
イ 0.5
ウ 0.6
エ 0.7
■正解
イ 0.5